シンカメールマガジン
『 真価と進化 』

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2020.2.19号 VOL.6
相手の姿勢に学ぶ


こんにちは。株式会社シンカの四戸と申します。

新型コロナウイルスが猛威を振るっており、連日ニュースでも
取り上げられているご状況ですが
皆さまにおかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
手洗いうがい、アルコール除菌等を徹底し、
予防に努めてまいりましょう。

さて、先日、私は「ライフワークバランスEXPO2020」に参加いたしました。
中でも、「個人の生産性を向上」をテーマにしたセミナーを受講いたしました。
そこで聞いた興味深いお話を本日は皆様にシェアさせていただければと思います。

それでは、『 真価と進化 2020.2.19号』、最後までお付き合いください。


相手の姿勢に学ぶ

前述したセミナーにて、「個人のモチベーションを育成することはできるか?」という議題の中で、
早稲田大学ラグビー部出身で日本ラグビー協会の理事を務めた
中竹竜二氏が以下の内容をお話くださいました。

育成にはPUSHかPULLしかありません。
その中でも以下4つに分類することができます。
<PUSH> TELL(命令・指示)、SHOW(見本をみせる)
<PULL> ASK(引き出す)、DERIGATE(託す、任せる)
これらの実践手法は様々ですが、
特に自分が重要だと感じ取り組んできたのはSHOWです。

中竹氏が早稲田大学ラグビー部のコーチに初めて就任した際のエピソードを交えて
SHOWを用いて組織をマネジメントした経験を以下のように語っていただきました。

コーチに抜擢された時、専門的な指導経験はほとんどなかったそうです。
名門ラグビー部のコーチというと、前任者たちは
知識も経験も積んできた豪腕揃いで、
中竹氏は「今までと同じやり方を踏襲してもうまくいかないはず、
何か工夫をしなければ。」と考えていました。

案の定、就任してからというもの思うように勝利を上げることはできず
選手たちからは「勝てないのはコーチが未熟だからだ」などの辛辣な声が寄せられました。
しかし中竹氏はその声を全て受け入れて、
コーチ自らが「自己責任で考え続ける姿勢」をSHOWし続けたそうです。

中竹氏が実践してきたことは二つ。
選手たちとの面談と面談で彼らのしたいことを問い続けたことです。

自分に対する不満の声に「分かった、自分が悪かった。」
と認めた上で
「それで、君は今後どうしたい?」と問いました。

きっかけは「このままこのコーチに任せていたら勝てないぞ…」
という危機感だったかもしれません。
しかし、危機を脱するために自然と選手たちはチームについて意見を交わすようになり、
気づけば「コーチのせいにしていてはいけない、
自分のことは自分で考えなければならない。」
という思考に変わっていったそうです。

こうして、コーチに言われた通りのメニューをこなすだけではなく
選手たち自身で考えて行動する組織へと変貌を遂げ、輝かしい戦績を残す
強いチームへと変貌を遂げたそうです。


相手が気づいてくれることを辛抱強く待つ。
変わろうという意志が自発的に芽生えなければ、
いくら戦術を指示したところで本質的な強いチームにはなりえない。という
中竹氏の組織論はスポーツだけではなく、ビジネスにも活用できると思います。

この話を聞いて、若手社員である私はマネジメントされる側として
果たして、相手の「SHOW」に気づけているだろうか?
と考えさせられました。

上長からの発せられた問いかけ、
また、上長自身の仕事に対する姿勢を見て
自ら「学びを得よう、何かに気づこう」と考えられているか?

いざ自問自答してみると、
主体的に気づきを得ようというアクションがまだまだできていないなと感じます。

新年度に向けた準備も始まる中で、他者から学ぶ姿勢を持ち続けることを
あらためて自分のテーマとして、実践していきたいと思います。


編集後記

まだまだ寒さは厳しいものの、
時折、陽の暖かさを感じることも増えてまいりました
春が近づくと同時に、花粉の訪れもすぐそこだと感じると
素直に喜べない自分がおります…。

採用シーズン真っただ中でございます。
皆さまにおかれましては何卒ご自愛ください。

それでは、次号をお楽しみに!

四戸 裕歩