シンカメールマガジン
『 真価と進化 』

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2022.3.23号 VOL.130
2022年4月から「プラスチック資源循環法」が施行

 こんにちは。株式会社シンカ代表の田中です。

新型コロナ、ウクライナ、資源高騰、地震、停電リスク・・・
と、まさにVUCA時代を感じさせる出来事ばかりが続きますね。

いよいよ、SDGs達成なしには生命の維持すら脅かされると感じさせる
出来事が身近に起きるようになってきました。

 メディアはウクライナの話題で持ちきりですが、
2020年4月からひっそりと?施行される「プラスチック資源循環法」について、
じっくり研究してみたいと思います。

それでは、『 真価と進化 2022.3.23号』、最後までお付き合いください。



2022年4月から「プラスチック資源循環法」が施行


 プラスチック資源循環法がこの4月から施行されるのをご存知でしたか?
プラスチックごみ問題、気候変動問題、諸外国の廃棄物輸入規制強化等への
対応を契機として、国内におけるプラスチック資源循環を促進する
重要性が高まっていることを背景に、政府では、令和元年5月に
「プラスチック資源循環戦略」 を策定し、令和3年6月に
プラスチック資源循環法が成立したそうです。

特設サイトが開設されていましたので、詳しくはこちらをご覧ください。

●プラスチック資源循環に関する特設サイト
https://plastic-circulation.env.go.jp/


プラスチック資源循環戦略では、以下の指標等を目標として掲げています。

●達成すべきマイルストーン
・2030年までにワンウェイプラスチックを累積25%排出抑制
・2035年までに使用済みプラスチックを100%有効利用
・2030年までにプラスチックの再生利用を倍増 等


また、対象事業者は以下のとおりです。

●対象事業者は?
・小売業(百貨店・スーパー・コンビニなど)
・宿泊業(ホテル・旅館など)
・飲食店(レストラン・居酒屋など)
・持ち帰り・配達飲食サービス業(フードデリバリーなど)
・洗濯業(クリーニング店など)


対象のプラスチック製品は、以下の12品目だそうです。

●国が特定プラスチック使用製品として定めた12品目
フォーク・スプーン・ナイフ・マドラー・ストロー
ヘアブラシ・くし・カミソリ・シャワー用キャップ・歯ブラシ
ハンガー・衣類用カバー


例えば、どんな取り組みをしなければならないか?は以下の通りです。

●削減対策(提供の工夫)
・有償で提供する
・特定プラスチック使用製品を使用しないように促し、
 不要とした場合ポイントを還元等する
・提供する特定プラスチック使用製品の必要か否かの確認をする
・繰り返しの使用を促す


 また、製造事業者については『プラスチック使用製品設計指針』に適合した
プラスチック製品であると国が認定(設計認定)した製品は、
国が率先して調達することとされています。

 加えて、製造事業者・排出事業者が自主回収・再資源化する計画を作成し、
主務大臣が認定した場合、その事業者は廃棄物処理法の業許可不要で
再資源化事業に取り組むことができるとされています。


条文レベルで研究されたい方は、e-GOVをご覧ください。

●e-GOV
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=503AC0000000060_20220401_000000000000000


 「儲かるからやってみる」でも、はじめは構わないと私は思います。
その効果で、プラスチックの分別・回収のサプライチェーンが構築され、
プラスチックの循環が当たり前になる世の中に、早く転換しなければなりません。

 化石燃料価格の高騰、食料高騰、半導体不足、生産・物流遅延、
停電リスク、地政学リスクを身近に感じられる今こそ、
「少資源国・日本」であることを思い出して、新しいライフスタイルを
創り上げていきましょう。


編集後記


 皆さんが普段利用するコンビニでは、「燃えるごみ」と「プラスチックごみ」
のごみ箱は分かれていますか?これだけプラスチックごみ問題が
取り上げられているのに、私の肌感では半分以上の店舗でそれらは
「燃えるごみ」の1口に放る形式になっています。
どうせ廃棄物処理業者の方で燃えるごみとして処理されるからでしょう。

 「だからいいや」と1人でも思ったら、「循環」はそこでストップして
しまいますね。色んな考え方の人がいるので、誰一人として循環を止めない
ようにするのは至難の業です。

 そのためには、もはや「習慣にする」しか道はないのだと思っています。
最も根底には、循環を美しい・尊い・幸福と感じる「美意識」が必要ですね。
日本人は少資源国で培われた、その美意識があるはずだと私は信じています。

 それでは、次回もお楽しみに!

田中 裕也