シンカメールマガジン
『 真価と進化 』

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2022.8.10号 VOL.148
応援ノカタチ 『 真価と進化 2022.8.10号 』

こんにちは。株式会社シンカの山内と申します。

明日からお盆休みに入られるという方も多いでしょうか。
コロナの感染拡大の勢いは続いていますが、3年ぶりの“行動制限のない夏”ですね。

判断が難しい局面はあるものの、
「みんなが自粛しているから」「政府が言っているから」で思考停止になるのではなく、
それぞれが自分なりに考えて行動を意思決定するという、大事な機会にも感じます。

それでは、『 真価と進化 2022.8.10号』、最後までお付き合いください。



応援ノカタチ


夏の甲子園が8月6日に開幕しましたね。

私の出身地である南北海道代表の札幌大谷高は、
残念ながらサヨナラ負けとなってしまいましたが、
応援団が、現在人気沸騰中で社会現象となっている
「きつねダンス」を披露して、一気に盛り上がったようです。

負けたら終了の緊張感のなか、ひたむきな球児たちの全力プレー、
前評判の高かった高校が大逆転されるなど、予想外のドラマの多さ、
そして、炎天下のなか、アルプススタンドで必死に応援する姿にも
心が打たれます。

さて、その「応援」も、クラウドファンディングに代表されるように、
技術の発展や、ギフトエコノミー(贈与経済)の広がりから、
形式上は、手軽に集めることができるようになりました。

私も、数ヶ月に1回の頻度で、クラウドファンディングを通じて
ご縁のあった個人や団体、地域に向けて、応援の意思を表しています。

特にここ最近は、
「クラファンを始めたので応援してください!」
「お金をギフトしてください!」
「成功させたいのでご協力をお願いします!」
というグループ投稿やメッセージを受け取る機会が多くなりました。

知り合い(直接・間接含め)全てのプロジェクトを支援できるわけはなく、
むしろ割合としては支援しないほうが多いなかで、
「もっと気前よく出せたらいいのかな、自分って小さいな」と
勝手に自己嫌悪に陥ってしまうこともあり、
自分なりの応援基準を整理したいと考え始め、棚卸しをしてみました。

▼今まで支援したプロジェクトに触れたときの自身の気持ち
・自分がもしその地域に住んでいて、その社会課題に触れたらチャレンジしてみたい。
 学生だし、原資がないのもわかる。ぜひ代わりに頑張ってみてほしい!
・その話、前から熱く語っていたよね。熱量に圧倒されたし、
 きっと子どもたちにとっても貴重な機会になると思う。
 今ビジネスにするのは難しい領域だし、まずは実績をつっくってほしい!
・あの地域の人たちには大変お世話になった。彼らのチャレンジを
 本音では一緒にやりたい。でも物理的になかなか関わるのが難しい。
 だから、むしろ応援という形で関わらせてもらえるなら、喜んで!
・今まで散々一緒に語り合ってきたあなたが本気で応援したい相手なら、
 私自身はそこまで課題に対して実感値はないけど、協力するよ!

▼迷いながら結果的に支援しなかったときの気持ち
・それは自分の興味・関心・欲求を満たす活動であって、極めれば確かに
 人の役に立つことだけど、そのレベルなら、自分でお金を貯めたら?
 もしくは無利子で貸すよ?
・手元に十分お金はあるはずだよね?興味を持ってほしい、
 アイディアが欲しい、巻き込みたいと思うなら、お金を集める以外の方法はないの?
・共感しなくもないけど、私自身もこの資本主義社会のなかで
 試行錯誤しているわけで、そういう仲間が各地域にいること自体が
 励み(応援)にはならないかな?その額、本当に寄付じゃないとだめなの?
・取り組んでいることが、世界レベルだったり、発想が壮大すぎて、
 実感値が伴わない…。共感しきれず、踏み切れない…。
・近しい人たちが、みんな応援している…。自分も応援しないといけないのかな。

このように並べてみると、
やはり直接的な人間関係や、共感度の高さが前提にあり、
「ビジネスでは難しい」「原資を集めるのが難しい」
「自分の代わりにやってほしい」「誰かのための行動であってほしい」あたりが
クラファンを通じた応援の軸になっている気がします。

また、相手にギフト搾取の感情を抱かせてしまわないように、
「働く→応援してもらう」の優先順位がベースにあってほしいという
願いも自分の中に感じました。

一方、私自身の「我がごと」の幅がもっと広がれば、
支援という形で喜んで関わりが持てるものも、もっとあるように感じます。
自身の経験値や、接する領域を、今後広げる努力もしていきたいと思いました。

編集後記


人間とはないものねだりの生き物だなとつくづく思うのですが、
都市生活で、自然と人との関係性が分断されるなかで、
「繋がりを取り戻したい」と願いながら、
「しがらみは欲しくない」と思っている方、結構多くありませんか?

まさに、私の東京と飯能の二拠点生活がそれを表しているようにも感じます。
自分の都市生活を支えてくれている、地域の自然や、
そこにいる人々、産業とこれから自分がどう関わって着地点を見出すのか。

自分自身を社会実験の素材として、これからも試行錯誤していきたいと思います。

それでは、次回もお楽しみに!

山内 綾子