シンカメールマガジン
『 真価と進化 』

SHINKA Mail Magazine

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2023.7.12号 VOL.193
はじめての帯購入

こんにちは。株式会社シンカの横田と申します。

関東では梅雨明けが待たれる蒸し暑さが日々続いておりますが、
日本列島は西日本を中心に豪雨が続き、未だ本格的な夏到来とはいえない状況です。

しかし着々と夏への足音は近づいていることを感じます。
高校野球の都道府県予選開始のニュースや、ドラッグストアでの冷感グッズの品ぞろえ、
中華料理店の冷やし中華の暖簾は、いよいよ到来する夏を感じさせます。

夏の風物詩は数々ありますが、特に夏のイベントといえば、花火大会。
コロナを経て各地では4年ぶりの開催となる大会も多く、
夏らしいイベントが帰ってきたことを感じます。

今回はそんな花火大会といえばの、浴衣の帯の話です。
それでは、『 真価と進化 2023.7.12号』、最後までお付き合いください。


はじめての帯購入


皆様は浴衣の帯を購入したことはございますでしょうか。
私は高校生の頃に文化祭のために、一度浴衣を購入したことはあったものの、
男性向けということもあって選択肢も少なく、セット販売のものを手に取ったのみでした。

先日私の恋人がお洒落な浴衣を購入したとのことで、帯が欲しい、との希望があり、
誕生日も記念して帯をプレゼントしよう、ということになりました。
浴衣に使う、半幅帯が欲しい、とのことでした。

とはいえ私の帯への見識は上記程度なので、調べることから始まりました。
帯にはいくつか種類があり、 振袖や留袖に使われる豪華な袋帯、普段着の着物に多い名古屋帯、
その帯の半分の幅という意味の半幅帯、に大きく区分されるとのことでした。
そこから素材や使い方で細かい分類があり、
柔らかい素材でできている兵児帯や、2枚の生地で作られている小袋帯などがあるとのことでした。

さて調べてみたものの一体どれが浴衣に適した帯なのか、これがまるきりわからない。
通販サイトだと安いものでは1000円程度から、高いものは10万はくだらないという状況。
説明書きを読むものの、ネットの情報だけではさっぱり判断がつきませんでした。

そのため店舗で店員スタッフ様に相談しよう、と思ったのですが、ここでも躓きました。
都内の大きい商業施設ではなかなか浴衣に使える帯が見つからなかったのです。
そもそも呉服店自体が、いくつか商業施設を回って1件あればよい方という少なさであり、
あったとしても名古屋帯など着物の帯がほとんどで、用途がアンマッチでした。
そして何より在庫にある帯の数が少なく、デザインで自由に選べないことがネックでした。

ありがたいことにいくつかお話を聞いていただき、
改めてネットショッピングでいくつか探してみたものの、やはりわからないことが多いもの。
できれば帯のお店に出会いたい、と思っていたところ、ふと家近くの商店街に
浴衣を中心に販売している着物店を見つけることができました。

店には浴衣の帯が所狭しと積まれており、落ち着いた店内で手に取って見ることができました。
使い方やデザインについてお店のご主人に伺っていると、曰く、
浴衣は元々お風呂上りや家で涼む用途で使われていたため、帯についてはそれほど種類はなく、
浴衣でも帯をお洒落にしようとなったのは、むしろ夏祭りや花火大会程度でしか
着用しなくなってきた1970年代ぐらいから、とのこと。

お店は昭和2年から営業しており、ご主人が高卒で後を継いだ時には
商店街にいくつも着物屋があったが、最近は近辺の商店街で唯一の着物屋になったとのこと。
経営が厳しいため跡継ぎをさせられないという各店の事情があって閉店が相次いでいるが、
近年は外国人観光客のおかげで少し持ち直し、また晴れて娘さんが跡継ぎになってくれたとのこと。

着物店に入る男性が珍しいのか、多くのお話を聞くことができ、
またデザインや使い方を相談してよい買い物ができました。
思わぬ副産物として浴衣店の事情を伺い、
直前まで帯を探しても見つからない・何を選んだらよいのかわからないという
悩みを持っていたところだったため、何とかしてあげたい、という感情が生まれてきました。

消費者としては手始めに自分の扇子を新しく買おうかな、
また扇子についてのお話も聞けるかも、と思い、また足を運んでみようと思います。
どこで何を買うかではなく、だれから買うかの時代。
長年愛される秘訣が、そのお店にはあるのだと思います。

編集後記


この購入の悩みを話してみると、一緒に働いていたリモートメンバーの1人が
着物が好きということで、あれこれ教えてくださいました。

ともに仕事をしている同僚の好きなもの、日ごろの仕事では見えてこないところが
わかると、日ごろの仕事もやりやすくなりますね。

それでは、次回もお楽しみに!

横田 悟