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『 真価と進化 』

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2016.06.01号
アメとムチは逆効果?報酬が人のやる気を削ぐ

こんにちは。
株式会社シンカメールマガジン『 真価と進化 』編集局です。

「こちらが全力でマネジメントしているのに、新人(≒部下)のやる気が出ない。」
というのは、恐らく紀元前から(いや、もっと前から?)指導者や上司の頭を悩ませ
続けているトピックスではないでしょうか?

最近読んだ本に書いていた「ソーヤー効果」というものが非常に目からウロコだった
ので、少し触れながらモチベーションについてお話をしたいと思います。

夏も近づいてきておりますが、コーヒーブレイクのお供に、
『 真価と進化 』2016.6.1号、お楽しみください!


アメとムチは逆効果?報酬が人のやる気を削ぐ


先日、友人の友人が30歳の誕生日を迎えましたので、それを祝うために友人一同が
それぞれモノマネを用意して、披露をする。というパーティが行われました。

自分で言うのもなんですが、元来そういった場で盛り上がりに貢献することが
好きな性質で、忘年会・新年会のシーズンには自分でアイドルのライブ映像を見ながら
振り付けを覚える事も珍しくありません。

そういった事もあってか、今回のモノマネの件も依頼が来たのだと思います。
期待をされているので、やるのはやるんですが、やる気があまり出ず、自分でも
「もう少しクオリティを上げておくべきだったな」という結果になりました。

普段なら自発的に全力でやるような事も、やらされ感が出ると途端にやる気が
削がれてしまう・・・。

これが、冒頭でお話していた「ソーヤー効果」です。

ざっくり言うと、
「やらされている」と「やりたいこと」が変換することでやる気が上下する効果。
つまりは、やらされていることを内発的動機を用いてモチベーションを上げる事や、
内発的動機からの行動をやらされていると認識する事でモチベーションを下げる事を
表しています。

※トム・ソーヤーの冒険の一エピソードからもじってこの名前が付けられました。
ダニエル・ピンク著のモチベーション3.0でも紹介されていたので、ご存じの方も
いらっしゃるかもしれません。

ソーヤー効果をわかりやすく示している実験が有るので、ご紹介したいと思います。

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この実験は、自由遊びの時間に絵を描いている幼稚園児に対して行われました。
自由時間に絵を描いている園児を三つのグループに分けたのです。

1.「よくできました」と書かれた賞状をあらかじめ見せて、「絵を描いたら、
  この賞状をあげるよ」と伝えたグループ

2.1と同じ賞状を用意したが事前に伝えず、絵を描き終わってから賞状を渡したグループ

3.事前に賞状の存在を伝えず、その後も賞状を渡さなかったグループ

グループを三つに分けて上記の対応を行った後、二週間後の自由時間に何も伝えず改めて
紙とペンを渡して、園児の行動を観察していました。

その結果、2と3のグループの子は以前と同じようにお絵描きに熱中をしていましたが、
1のグループの子は、絵に対する興味を失い、絵描きの時間も格段に短くなりました。

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これが、ソーヤー効果がネガティブに発現した例です。
つまりは、行動への報酬を提示したことで「お絵かき=やりたいこと」だったはずが、
「お絵かき=やらされていること」に認識が変容してしまった。ということです。

この点だけ抽出すると、インセンティブ=悪と誤解されるかもしれませんので、
補足情報も含めポイントをまとめさせていただきます。

・行動の対価として報酬を事前に提示することで、行為にやらされ感が出てしまう
・報酬自体が問題ではなく、「○○をすると、△△がもらえる」という認識こそが問題
・(報酬を与え続けられるのであれば)やらされても、やる気は維持することが出来る
・また、機械的なタスク(手順ややり方が明確になっているもの)に関しては、
 報酬とタスク処理スピードに相関関係が有るという実験結果もある

ポイントをまとめてみると、インセンティブ=悪、自発的行動=善というわけ
でもなさそうです。

会社としてやってもらうことが決まっていて、クリエイティブさよりもスピードや
処理量を問う場合は、報酬を明確にして与えた方が良いですし、
新規事業などのやり方や道筋が決まっていない事は報酬を与えずに自発性を重視
した方がうまく動いてくれるという事です。

これをうまく活用した例が、Googleの勤務時間の20%を自分のプロジェクトに使って
良いという「20%タイム」という制度ですね。
(Wikipediaも自発性で成り立っているサービスなので、近しいメカニズムかもしれません)

ここまで話をすると、上司は部下に(経営者は社員に)自発的に働いてもらうために
好きにやりたい事をやらせる。という結論にしてしまいたくなりますが、それじゃ
あまりにも暴力的かつ現実的でないマネジメントですので、ソーヤー効果を見て
私が行きついた、現実的な活用法をお伝えしたいと思います。

・自発的にやっている事に無理やり報酬を付与しない(後付はOK)
・会社(上司)としてやらせたい事が有る場合は、自発的動機との接点を見出す
・とは言っても、自発的動機を操作するのは難しいので、採用の際には
 その本人がどんな点に自発的動機を感じる人材なのかを見極めるべき

と、まとめてみると「やっぱり、採用においてはビジョン・価値観は大事だなぁ」と思う次第です。
社員の働くモチベーションが低くて困っている。とお悩みの方は是非シンカまでご相談下さい!
(マネジメントの話ではなくなってしまいましたね・・・笑)

編集後記

上記で取り上げたテーマを自分に当てはめて考えてみると、
非常に思い当たることが多くてびっくりします。

人を動かす際に、モチベーションを上げようと報酬をぶら下げた事も有りましたが、
思うように動いてはくれませんでした。

自分の新人の頃を振り返ってみてもそうですね。自分がやりたいと思うことと、
今の仕事との共通点を見出した時が一番燃えて仕事をしていた記憶が有ります。

結局、上司がどれだけムキになっても、部下は変わらないものです。
教える事よりも、学びたい、と思う環境を用意することが上司の仕事だと思います。
※学びたい事の価値観も世代によって違うのも要注意ですね。

そのために一番すべきは、相手の価値観を知ることなんだな、と痛感しました。
色眼鏡をせずに、相手を知ることから始めてみようと思います!
では、次回もお楽しみに!

(中村 岳人)