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『 真価と進化 』

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2019.03.13号
菅官房長官の働き方改革はどうする?

こんにちは。株式会社シンカ代表の田中です。
 
弊社では、今週末、「高齢化日本一」の群馬県南牧村へ視察研修に
訪問することなっています。将来の日本の姿を直接見て、どんな社会になるのか、
どんな課題を抱えることになるのか、どんなことが必要とされるのか、
自社の方向性と新規事業開発に役立てるべく、存分に学んできたいと思います。
 
さて、「年5日の年次有給休暇取得義務化」「時間外労働年720時間」
(労使が合意した場合でも)が2019年4月から開始することを控え、
昨今メディアで目にしない日はない「働き方改革」「休み方改革」について
角度を変えて捉えてみたいと思います。
 
それでは、『 真価と進化 2019.3.13号』、最後までお付き合いください。


菅官房長官の働き方改革はどうする?


2019年2月21日21:22頃、北海道胆振地方中東部にて震度6弱の地震がありました。
私が21:30頃に帰宅してTVをつけると、そこには地震速報を生放送で
記者会見をする菅官房長官の姿が。
 
そこで私はふと思いました。
菅官房長官は、自宅でゆっくりしていたかもしれないのに、
急遽呼び出しがあって、国民の安全・安心のために、
21:30現在、こうして記者会見を担ってくださっているのではないか?
菅官房長官は、残業年720時間で収まっているだろうか?
年間5日有給休暇を取れているだろうか?答えは否だろう。
そんな菅官房長官に、私たちは感謝できているだろうか?と。
 
また、2019年2月26日放送のテレビ東京「ガイアの夜明け」では、
「命を守る現場が危ない!働きすぎ...医者を救え!」と題して、
医者の超・過酷労働の実態を問題に取り上げられていました。
 
厚生労働省は2月20日の医師の働き方改革に関する有識者検討会で、
「地域医療を支える医療機関の勤務医」と「専門性や技能などを高めたい若手医師」の
残業時間上限について、「年1860時間」(月155時間相当)とする案を示したそうです。
 
日頃、経営者、管理職の方々とお話していますと、皆様異口同音に
「私たちの働き方改革はどうしてくれる!」という悲鳴にも似た声を伺います。
 
社会的要請に応えるために、残業時間を減らせるように部下をマネジメントし、
業務効率化を進め、隙間時間も惜しみなく働き、そして業績を向上させるために、
自らもプレイングマネージャーとして、より仕事をこなす。
しかも、経営者は会社に1人しかおらず、管理職相当の30・40代の世代は、
就職氷河期やリーマンショックの影響で人材層が手薄で、
上からも下からもくるプレッシャーの板ばさみになっていることが大半です。
 
そこで、もう一度ゼロベースで働き方改革の意味を捉えてみたいと思い、
2017年3月28日に発表された「働き方改革実行計画」の原文を読んでみました。
そのうち、私なりに「目的」と取れる箇所を抜粋して転記致します。
 
・我が国の経済成長の隘路(あいろ)の根本には、少子高齢化、生産年齢人口減少
 すなわち人口問題という構造的な問題に加え、イノベーションの欠如による
 生産性向上の低迷、革新的技術への投資不足がある。
 
・日本経済再生に向けて、最大のチャレンジは働き方改革である。
 
・日本の労働制度と働き方には、労働参加、子育てや介護等との両立、
 転職・再就職、副業・兼業など様々な課題があることに加え、
 労働生産性の向上を阻む諸問題がある。
 
・長時間労働は、健康の確保だけでなく、仕事と家庭生活との両立を困難にし、
 少子化の原因や、女性のキャリア形成を阻む原因、男性の家庭参加を阻む
 原因になっている。
 
・付加価値の高い産業への転職・再就職を通じて国全体の生産性の向上
 
・すなわち、働き方改革は、社会問題であるとともに、経済問題であり、
 日本経済の潜在成長力の底上げにもつながる、
 第三の矢・構造改革の柱となる改革である。
 
・人々が人生を豊かに生きていく。中間層が厚みを増し、消費を押し上げ、
 より多くの方が心豊かな家庭を持てるようになる。
 そうなれば、日本の出生率は改善していく。
 
いかがでしょうか?
「生産年齢人口の減少」「女性の労働参加」「潜在成長率の底上げ」
「付加価値の高い産業への転職・再就職」「子育て」「出生率の改善」「介護」、
すなわち、「日本経済再生」のための出生率改善、潜在成長率を上げるための
労働投入量の増加、GDPに加算されない項目である(ただし、社会保障費として
コストはかかる)家事、子育て、介護労働の国民負担であると私には見えました。
 
国家財政が危機的なので、シニアも女性も、職場でも家でも隙間なく稼いで
これまで以上に納税し、家庭ではもっと子供を産んで、家で仕事をしながら子育てし、
病院や介護施設に世話にならないように親の介護を家庭で看る。
そんなライフスタイルが透けて見えます。
 
嗚呼、ニッポン!
 
私たちが日頃目が行きがちな働き方改革は、一部のホワイトカラーのサラリーマンを
対象とした議論になりがちで、対象にできていない職業・役割の人々が大勢います。
 
そして、働き方改革は、付加価値を生む活動のあり方や、会社と従業員の関係、
ライフスタイルの見直しをする良いキッカケだと思っておりますが、
何を目的に据えて取り組むのかは、各々でよくよくお考えになられる必要が
あるのではないかと私は思います。

編集後記

過去のメルマガでもご紹介させていただきましたが、
弊社は働き方改革が叫ばれるようになる前の2014年頃から
必要性にかられて取り組みを行っています。
 
約5年に及ぶそのプロセスは以下のとおりです。
 
1)管理会計の導入、リアルタイムな全社P/Lの見える化
2)顧客別、サービス別利益の見える化、採算基準見直し、取引条件見直し
3)固定費の削減
4)社員の多能工化
5)外部教育研修サービスの導入
6)人事評価制度のゼロベース刷新
7)中長期的な取り組み(採用、働き方改革、業務改革など)の手当制度創設
8)IT導入、プロフェッショナルへのアウトソース推進
 
働き方改革は、「早く帰れ!休め!運動」ではありません。
結局、時間の使い方を変え、本来社員がやらなくてもいい仕事を代替し、
社員の成長に投資し、会社の利益を上げ、社員に還元するサイクルを生み出す
「企業改革」そのものに他なりません。
(生命を危機に晒す、過剰な時間外労働は回避することは前提として)
 
中小企業である弊社の血の滲むような取り組みにご興味をお持ちの方は、
ぜひ弊社社員までお尋ねください。喜んで苦労話をご紹介させていただきます。
 
 
それでは、来週のメルマガもお楽しみに!
 
(田中 裕也)