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『 真価と進化 』

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2019.06.19号
「平均」のとらえ方

こんにちは。株式会社シンカの吉岡と申します。
 
関東も梅雨入りし、すっきりしない天気の日も多くなっていますが、
そんな中、目を楽しませてくれる紫陽花。
 
旅行雑誌を見れば、「あじさい寺」として有名な鎌倉の長谷寺や
京都の三室戸寺、また箱根登山鉄道の「あじさい電車」などの名所が
取り上げられるようにもなりましたが、最近ではインスタ映えを意識して(?)
ハート型の紫陽花を見つけて待ち受け画面にすると
恋愛成就に効くというジンクスもあるそうです。
 
6月は祭日がなく、なかなかお休みが取れない方が多いかもしれませんが、
息抜きに紫陽花の名所を訪れてみてはいかがでしょうか。
 
それでは、『 真価と進化 2019.6.19号』、最後までお付き合いください。


「平均」のとらえ方


最近、話題となっている「老後2000万円不足」問題。
皆様はどのように感じられましたでしょうか。
 
夫65歳以上、妻60歳以上の高齢夫婦無職世帯の平均的な姿として、
毎月の家計収支が約5.5万円の赤字である為、
老後20年で約1,300万円、30年で約2,000万円の取崩しが必要とした
金融庁の報告書について、様々な角度から議論が巻き起こりました。
 
かく言う私も「本当に夫婦で(年金等の社会保障以外の)2,000万円の
資産形成が必要なのか?」と金融庁の報告書を読み直し、
その試算の根拠ともなっている年金についても
「自分の年金はいくらもらえるのか?」「そもそも年金とは?」と、
日本年金機構の「ねんきんネット」にアクセスして調べてみました。
 
その中で、考えさせられた「平均」という言葉について、
今回はお話したいと思います。
 
まず、報告書では「夫65歳以上、妻60歳以上の高齢夫婦無職世帯の平均的な姿」と
して2,000万円の必要性を指摘していますが、私が疑問に思った点として
今の高齢夫婦無職世帯の平均的な姿が、何十年後かの自分の姿と
同じと言えるのかということでした。
 
例えば、夫婦共に雇用者の共働き世帯は、1995年あたりを境に
専業主婦世帯数を上回っています。
 
つまり、報告書内で想定している高齢夫婦無職世帯は
専業主婦世帯の現状に近しく、私自身も含め、近年増加している
共働き世帯の現状(予測値)とは乖離している可能性があると思ったのです。
 
また、この報告書の「平均」について、ある記事では
試算の根拠となった総務省の家計調査は2017年のものであり、
同家計調査の2018年のデータでは、収支差額が4.2万円、
つまり老後の不足額は1,500万円程度となることも指摘していました。
 
根拠とした家計調査自体が「対象となる約9,000世帯を定期的に入れ替える」
調査であり、対象の違いで平均値も異なるというのです。
 
なお、「年金」について調べていくと、
基礎年金制度である国民年金がスタートした1961年当時、
男性の平均寿命は65.32歳、女性は70.19歳でした。
 
その当時、厚生年金は55歳から、国民年金は現在と同様に65歳から
支給されていたそうですから、年金制度は当初、会社員男性が10年間、
専業主婦女性が5年間程度、受給することを想定した制度であったと考えられます。
 
一方で現在は、平均寿命は男性は81.09歳、女性は87.26歳に延び(2017年時点)、
年金を65歳から受給すると仮定すると、男性は16年間、女性は22年間、
受給する時代になりました。
 
寿命の「平均」が、60年後、15年以上延びると予測できた人は
どのくらいいたのでしょうか。
 
変化が激しく、また多様化が進んだ現在における「平均」とは、
その時点の、1つの参考値にしか過ぎず、「平均」をもって全体を語ったり、
今後を予測するのは、より難しくなってきたのかもしれません。
 
「平均」という言葉で安易に理解した気になるのではなく、
各人がそのとき、そのときで、自分の頭で考えるということが、
更に必要な時代となってきたようです。

編集後記

ちなみに、前述した日本年金機構の「ねんきんネット」では、
今までの支払額に応じた、現時点での年金見込額のほか、
今の収入を60歳まで維持した場合、または試算条件を変更しての
年金見込額のシミュレーションができます。
 
シミュレーションした個人的な感覚としては、
「このまま長く働けば、なんとか生きていけるかな・・・」
という感じでした。
皆様はいかがでしたでしょうか。
 
シミュレーションをしたことがなく、気になった方は、
是非アクセスしてみてください!
 
それでは、次号をお楽しみに!
 
(吉岡 佑里子)