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『 真価と進化 』

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2019.08.28号
大切なものを守っているだけ

こんにちは。株式会社シンカの山内と申します。
 
お盆明けから、夏の厳しい暑さも和らぎ、朝晩は涼しさを感じる
過ごしやすい気候となってまいりました。
 
私自身は、始めて10年になるよさこい踊りを、この週末の残暑のなか
2日間無事踊り切ったことで、夏が締めくくられました。
 
上期も残り1か月。
夏の余韻に浸りつつ、仕事のアクセルも踏んでまいりたいと思います。
 
それでは、『 真価と進化 2019.8.28号』、最後までお付き合いください。


大切なものを守っているだけ


先日、映画「ほたるの川のまもりびと」の上映&トークセッションの
イベントに参加しました。
 
本映画は、半世紀もの間、ダム建設に抗い、ふるさとを守り続ける人々、
美しい里山に暮らす13世帯を巡るドキュメンタリーです。
 
▼予告編をこちら
https://www.youtube.com/watch?v=rk5fz8002Tg
 
▽あらすじ(Facebook公式ページより)
朝、子どもたちが学校に行く、父と娘がキャッチボールをしている、
季節ごとの農作業、おばあちゃんたちがおしゃべりをしている。
それは一見、ごく普通の日本の田舎の暮らし。
昔ながらの里山の風景が残る、長崎県川棚町こうばる地区に
ダム建設の話が持ち上がったのが半世紀ほど前。
50年もの長い間、こうばる地区の住民たちは、ダム計画に翻弄されてきました。
現在残っている家族は、13世帯。
長い間、苦楽を共にしてきた住民の結束は固く、54人がまるで一つの家族のようです。
ダム建設のための工事車両を入れさせまいと、毎朝、おばちゃんたちは必ずバリケード前に集い、座り込みます。
こんなにも住民が抵抗しているのに進められようとしている石木ダム。
この作品には「ふるさと=くらし」を守る、ぶれない住民ひとりひとりの思いがつまっています。
 
 
ほとんど事前情報がなく参加をしたのですが、
里山の風景の美しさと、住民の方々の温かな空気が伝わってきて、
とても愛おしい気持ちになり、ここには守らなければいけないくらしがあると感じました。
 
映画を鑑賞した後、今までの自分だったら、
そのまま「ダム建設反対!」と思っていたかもしれません。
 
ただ、自分でも不思議だったのは、
鑑賞後に湧きおこってきた気持ちは、行政や建設業者に対する怒りの感情ではなく、
「相手の話も聞いてみたい」というものでした。
 
相手も血の通った人間。
理屈がわからない人たちではないはずで、計画は今から50年も前、
現在では、有識者からも治水・利水の両面で有効ではないという
意見が出ているにも関わらず、なぜ強行せざるを得ないのか。
 
利権が絡んでいるのかもしれない。
でも、その利権を守らなければならないのは、自分の立場や生活、
そして守らなければいけない家族がいるからなのかもしれない。
 
敵に見える相手でも、きっと自分たちと同じように守るものがある。
 
感情的にならず、「一つの側面だけでなく多面的に知りたい」と
上映後冷静に感じられたことは、私にとって自分の変化を感じた瞬間でした。
 
まだまだ本問題については勉強不足ですが、
過去の経緯も、利害も受け止めた上で、
今と未来を生きる人たちのための、賢明な判断がなされてほしいと思います。
 
敵も味方も、大切なものを守っているだけ。
でも、誰かが不合理に得た利益は、
必ずどこかで全体にひずみを生じさせ、巡り巡って自分の首を絞めることになる。
 
今の世界全体の動きも、そのように感じることが多くあります。
 
ぜひ機会があれば、この映画を、大切な人と一緒にご覧いただければ幸いです。

編集後記

夏といえば甲子園。
8月18日、準々決勝第3試合、星稜と仙台育英戦でのドラマはご存知でしょうか。
結果的に『17対1』という結果で、星稜が勝利しましたが、
試合中、七回の場面で、星稜の2年生である投手が
投球中に右手首をつりかけるアクシデントが発生したところ、
仙台育英側のベンチにいた選手が、グラウンドへ飛び出し、
スポーツドリンク入りのコップを投手に差し出したのです。
 
試合後、仙台育英の選手はこう言ったそうです。
「相手があって野球ができている。2年生だったし、こんなところでけがをしたら…と思っていきました」
 
戦っている最中でも、敵を思いやれるその懐の深さに
ただただ頭の下がる想いでした。
自分たちも本気で取り組んでいるからこそ、相手にもきっと敬意を払えるのですね。
 
それでは、次号をお楽しみに!
 
(山内 綾子)