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『 真価と進化 』

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2019.12.04号
今年の京都の紅葉の見ごろはクリスマス頃になりそうです

こんにちは。株式会社シンカの新井と申します。

誤解なきよう冒頭に申し上げますが、シンカメールマガジンのタイトルは
2019年今年の天気予報ではありません。

地球温暖化をテーマに2014年にNHKで制作された「2050年の天気予報」
(https://www.youtube.com/watch?v=NCqVbJwmyuo)
という映像で見られる一場面です。
CO2排出量がこのまま増加して地球が温暖化した場合に予測される
未来の天気予報です。

さて、昨日12月3日の最高気温は17℃。
本日1.5℃上昇し18.5℃だとしても、今日のわたしは何も感じないでしょう。
もちろん、そんなショートスパンではない考えられない
「地球温暖化」について調べてみました。

それでは、『 真価と進化 2019.12.4号』、最後までお付き合いください。


今年の京都の紅葉の見ごろはクリスマス頃になりそうです


■日本の夏は、どれほど暑くなっているのか?
ある年は冷夏、ある年は猛暑と言われながらも、確かに暑くなっていると感じる日本の夏。
どれほど暑くなっているのでしょうか?

夏期(6月から9月)の東京における過去140年間の日別平均気温を表した
「ヒートマップ」(*1)という図で分かりやすく表現されています。
https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/temperature/

この図からわかることは、

・1920年代から夏の気温は徐々に上昇し始める。
・その傾向が顕著になったのは高度成長期(1960年代~70年代)。
・1990年代に入って、7月前半から平均気温が30℃を超える日も珍しくなくなる。
・2000年代後半からは9月に入ってからも平均気温が30℃を超え
 さらに、気温の上昇と合わせ暑さのピーク期間が長期化。

■どんな影響が?
気候変動は、既に世界中の人々、生態系及び生計に影響を与えていますが
日本ではどのようなことが想定されるのでしょうか?

専門家によれば(*2)、

温暖化によって「大雨が降りやすくなり、水害は増える」。

果樹栽培では適地が北上しミカンは現在の主要産地の多くで安定生産が困難になり、
東北南部の沿岸部まで適地が動く可能性がある。

実際に、新潟県では2010年の猛暑で一等米の比率が前年の89%から21%に急落。
高温に耐えるコメの開発も始まっているそうです。
(なお、40℃を超える猛暑日が出た2019年の一等米比率も21%)

温暖化が進んだ場合、私たちは北上し住まいを寒冷地へ移動しなければならないのでしょうか。


■地球温暖化は人間によるものか?
今の気温上昇は地球のサイクルでは?という考えもあるかもしれませんが
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の「IPCC 第5次評価報告書の概要」で
観測的事実によってその考えを否定します。
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 20世紀半ば以降の温暖化の主な要因は、人間の影響の可能性が極めて高い(95%~100%)。
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この報告書の約5年後、2018年にIPCCから「1.5°C特別報告書」が発表されます(*3)。
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 世界平均気温は産業化以前に比べて現時点で1.0℃上昇した。
 人為起源の地球温暖化は10年で約0.2℃進んでおり、
 現在の進行速度で増加し続けると、2030年から2052年の間に1.5℃に達する可能性が高い。
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100~150年かけて1.0℃上昇した気温が、これからわずか10~30年の間に
0.5℃上昇する予想です。

では、どうしたらいいのか?

■「問題は解決できる。ただし簡単ではない」
報告書は「地球温暖化を1.5°Cに抑制することは不可能ではない」。

その方法とは、
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 2050年前後には世界全体のCO2排出量をゼロにし、
 メタンなどCO2以外の温室効果ガスの排出も大幅に削減する。
 しかし、社会のあらゆる側面において前例のない移行が必要である。
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「CO2排出量をゼロ」とは、なんとも非現実的に思えます。

国立環境研究所 地球環境研究センター 温暖化リスク評価研究室の江守室長によれば、

2030年までに世界のCO2排出量を2010年に比べて45%前後減らす必要があり
シナリオによれば、今後10年程度が勝負である。
・一番大きいのはエネルギーシステムの転換。
 省エネ技術やシェアリングエコノミー等でエネルギー需要を抑え、電化率を上げる。
・2050年には電力における再生可能エネルギーの割合を70-85%に増やし、
 石炭火力はほぼゼロに減らす。
・エネルギーシステムの転換に必要な投資は、年間2.4兆ドル(世界のGDPの約2.5%)。
 これは、1.5℃を目指さずに現状ペースで投資したのと比較し、2割程度の増加に留まる。
 それは、再生可能エネルギーへの投資が増加する一方で、化石燃料への投資が減少するためだ。

こう考えると、私たちは温暖化防止のためにどんな省エネをするのかだけでなく
来るべき「CO2排出量をゼロ社会」に向けて
どこまでライフスタイルを変化させることができるのか、
どんな価値観で生きていこうかと考え、実践していくことも重要に思えます。


(*1)東洋経済オンライン編集部「東京の夏が「昔より断然暑い」決定的な裏づけ」(閲覧日:2019/12/3)
https://toyokeizai.net/articles/-/229965
(*2)産経ニュース「2050年には紅葉の見頃がクリスマスに…温暖化は年々深刻化 スカスカなミカン、着色不良のリンゴも」(閲覧日:2019/12/3)
https://www.sankei.com/premium/news/151205/prm1512050031-n1.html
(*3)2018年度環境省「1.5°C特別報告書」、(閲覧日:2019/12/3)
http://www.env.go.jp/earth/ipcc/6th/ar6_sr1.5_overview_presentation.pdf

編集後記

今回、経年の温度変化を調べるきっかけは
今年の夏、お客様先を訪問している際に、
「体温を超える気温が続くなんてありえない!」と世間話をしていたことです。
 
私の地元では、子供の頃、冬にはそり遊びができるほどに降っていた雪が
積もるほどには降らなくなりました。
 
いつから気温は上がっているんだろうと思いつつ
日本では、高度成長期にあたる1960年代から気温上昇が始まって
いるのではないかと予想していました。
 
しかし、その予想を裏切り
第一次世界大戦直後の1920年代から始まっていることを知り驚きました。
"盛んな"産業活動をきっかけとしたのではなく、産業活動に付随するように
温暖化への道を歩み始めているのです。
 
将来、この温暖化を乗り越えた日本人は、この100年の歴史を振り返って
私たちを「愚かだった」と評価するのかもしれないと思いました。
 
それでは、次号をお楽しみに!
 
(新井 千春)