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『 真価と進化 』

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2019.12.18号
感覚の理由を紐解いてみる

こんにちは。株式会社シンカの稲村と申します。

一年の締めくくり師走。大掃除の季節ですね。
片付けついでに部屋の模様替えをしたいとお考えの方もいらっしゃるのでは
ないでしょうか。インテリアは、ここ数年「北欧スタイル」が人気ですが、
なるほど!と思ったことがありましたので、紹介されていただきます。

それでは、『 真価と進化 2019.12.18号』、最後までお付き合いください。


感覚の理由を紐解いてみる


北欧スタイルのインテリアというと、どのようなものを思い浮かべますか?
木目を活かした丸みをおびた家具、ポップな色使い、自然をモチーフにした織物等でしょうか。

私は初めて「北欧スタイル」という括りで、それらのインテリアを見た時に
「流行るだけあってオシャレだな」という感想とともに「なんだか懐かしいな」
と感じたことを覚えています。

その際にはその理由を追求することをしなかったのですが、最近になって
その理由が分かりました。

自分が子供の頃 実家にあった家具調度品にテイストが似ているからだったのです。
私はいわゆる団塊ジュニア世代なのですが、昭和40~50年代の時代設定のドラマを観ていて、
やっと気が付きました。同世代以上の方はとっくにお気付きだったかも知れません。

昭和40年代、高度成長期で日本人の生活が豊かになり、それまでの木を活かした
家具の中に、気分が高揚するカラフルな色の雑貨などで遊び心を取り入れる
余裕が出てきたようです。
北欧の寒く長い冬を家の中で快適に過ごすために、ポップな色彩を使って
生活を明るく豊かにしようという工夫とリンクして興味深いです。
日本では、一時カラフルなインテリアは下火になりましたが、若い人たちの間で再燃し
「昭和レトロ」ブームが起こっているということも面白いですね。

当時は、カーテン等の布製品、ホーロー鍋や保存容器などのキッチンツールに
ビタミンカラーと呼ばれるオレンジや黄色、緑色がよく使われていた印象ですが、
昭和50年代に入ると、家電の分野でも緑色が多く使われ出しました。
復刻版のレトロ家電に使われているような淡いミントグリーンではなく、鈍めの黄緑です。
サザエさん家の冷蔵庫の色といえば、お若い方にもお分かりいただけるでしょうか。
台所の中でひときわ大きな存在感を放つ黄緑色の冷蔵庫!
実家では米びつも黄緑色だったので、台所の大部分は黄緑色に占領されていました。
その後復活した様子もなく、何故あの時代だけ、あんなにも緑色家電が多かったのか
気になって調べてみました。

塗料が安かった、錆びにくい、剥げにくいなどの実用的な理由を予想していましたが、
調べていくと、違う理由がありました。
日本流行色協会のHPで見てみると、色名はアボカドグリーンというそうです。
1970年代は、反公害からの自然志向が高まった時期だったとのこと。
この時期にアメリカでいち早くナチュラルカラーやアースカラーが、
家電商品や乗用車などの工業製品に取り入れられるようになり、
それが少し遅れて日本の家電商品のトレンドカラーとして広く普及したのだそうです。
自然志向と工業製品をどうにか調和させようとした苦肉の策だったのかも知れません。
この理由を知ると、個人的には、あの黄緑色がなんとも愛おしく思えてしまいました。

年末年始に帰省される方も多いと思います。
ちょっと前までは、古臭いと感じていた実家の家電・家具・調度品に新たな魅力を
発見できるかも知れません。


編集後記

自分の思考や行動の理由を考えることは、良くあることで、
分析した理由を仕事や日常生活にいかしていらっしゃると思います。
しかしながら、感じたこと・感じ方の理由を紐解く時間を普段から持つことは、
クリエイティブなお仕事をされている方々は別として、なかなか難しいのではないでしょうか。
「何故か懐かしく感じるもの」「何故だか涙がこぼれてしまう曲」etc.
理由が分かって腑に落ちると気持ちの良いものです。

皆様も何故だか分からない感情・感覚をお持ちでしたら、この年末年始に
紐解いてみてはいかがでしょうか。

それでは、次号をお楽しみに!

(稲村 祥子)