2026.05.27号
大株主の機微と一瞬の判断
こんにちは。株式会社シンカ代表の田中です。
2016年の秋、弊社にいよいよ転機が訪れました。
2013年から自社の経営改革に取り組み、2014年には代表取締役に就任。
それから約2年間、上場企業の雇われ社長として、
株主への定期報告、グループシナジーの模索、協力要請など、
親会社と子会社の間に立って、立ち居振る舞いに気をつけながら
なんとか雇われ社長の役割をこなす毎日でした。
経営改革が進み、シンカもだいぶ利益が出るようになり、
従業員の働き方改革も進み、会社はようやく安定し始めていました。
そこで、親会社オーナーから突然の一言が。
「今後シンカをどうするかは、田中の想い次第だと思う。」
私は一瞬戸惑いました。
きっと文脈的には、私がずっと願っていた独立のチャンスなのですが、
「シンカをどうするか」が、事業展開を指しているのか、所有形態を指しているのか、
確証が持てなかったからです。
ですが、私は以下のように考えました。
(どちらを意味した問いであっても、ここは想いをぶつけるしかない!)
そして、以下のように答えました。
「わかりました。来週までにどうしたいか考えて、ご報告させていただきます。」
緊張感に満ちた打合せが終わりました。
終了後、私には頼れる存在がいました。
当時シンカの取締役でありながら、親会社に出向し、
親会社の視界を理解している人物です。
「田中、さっきの言葉は、そういうことやで。お前の覚悟次第や。
ただし、気ぃつけな。慎重にいかんと、逆に大変なことになるで。」
たしか、そんなことを言われたような気がします。
私は、願い続けてきたけど、現実的には叶うはずのない機会が訪れたことに高揚し、
早速、翌週大株主に何をどうお伝えするか、考え始めたのでした。
その1週間は無我夢中で、ほとんど記憶がありません。
1つだけ、些細なことですが、強く思ったことがあります。
「営業で鍛えられて、機微を読む力が身についていてよかった…」と。
続きは、次の執筆回でお届けします。
編集後記
今振り返ってみて、よくあの一瞬の判断ができたなとつくづく思います。
どうしてあのちょうどいい間合いの一言が、自分から出てきたのか。
それは、日々いつか独立したいと思い、仲間と語り合い、
親会社とも会話し、取締役とも常々会話していて、
それぞれが何を考えているかを理解し、もしその時が来たらどうするか、
勝手に自分の中で妄想(シミュレーション)していたからではないか、と思います。
念ずれば通ず。
なのかもしれません。
一見現実的でなくても、根拠もなく、強く思い続けることは大切ですね。
それでは、次回もお楽しみに!
執筆者プロフィール
株式会社シンカ
代表取締役社長
田中裕也
1981年生まれ。岩手県二戸市出身。一橋大学商学部卒。2004年、新卒でシンカに入社。
上場企業を中心に20年以上採用コンサルティングに従事。訪問社数は2500社を超える。
2014年、突如代表取締役を拝命。経営改革を経て、2017年にMBOを決断。
自社の経営改革の実体験から、現在は中小企業向けの組織改革・人事制度改革・
事業計画策定・新規事業立ち上げ、事業承継等の支援や、
持続可能な社会を目指して地方で宿泊業へのチャレンジも実践している。
2025年、社会保険労務士試験に合格(登録準備中)。