シンカメールマガジン
『 真価と進化 』

SHINKA Mail Magazine

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2023.11.22号 VOL.210
第二の思春期

こんにちは。株式会社シンカの分部と申します。

暑い長い夏が過ぎ、急に寒くなったと思ったら、もう年末間近。
お客様とは「一年あっという間ですね」が毎年恒例のセリフとなっています。

大人になるにつれて一年が早く過ぎると感じるのは、
生きている時間軸の中で「一年」の比率が小さくなるためといわれています。
全人類にとって共通である「時間」が、年を重ねると早く感じるなんて、もったいない気がします。
1分1秒を大事に過ごしたいですね。

それでは、『 真価と進化 2023.11.22号』、最後までお付き合いください。

第二の思春期


私は、子供のころから「この世の中に、本当に悪い人はいない」と思ってきました。

小学生の頃、学級崩壊のような経験もありました。
女の子グループ同士の衝突に巻き込まれて辛い思いをしたこともありましたし、
上級生の先輩からスカートが短いと呼び出されたりしたこともありました。
大人になってからも、意見が合わずに陰で互いに文句を言ってる様子を見聞きすることもありました。

それでもみんな、本当は優しさ、他人を想いいたわる心、思いやる心をもっている。
少しすれ違ったり、自分の思っていることと違ったりすることで、
時に衝突したり、それが行き過ぎてしまったりすることもある。

それは、それぞれに異なる背景や思いがあって、理解しあえないことも起こってしまう。
ただの悪意だけでふるまってしまう人なんていないはず。
きっとどちらが正解でも不正解でもなく、双方が自分の心に従った上での正義なのだと。

そう信じているから、その両者の正義を受け入れられる人でありたい、と思っていました。

30代のころまでは、こういった感覚が日々の人間関係にあらわれるため、
どちらの味方もしなければ否定もしない、そのままでいいんじゃない、というスタンスなので、
冷静に客観的に聞いてくれる存在として、よく相談を受けることが多くありました。
でも逆に、共感してくれないということで冷たい印象を与えるとも言われていました。

いままでは、そういったスタンスに疑問をもったことはなかったのですが、
最近、少し転換期に突入しています。

みんな善人である、ということが前提となっているため、知らず知らずのうちに、
「善人」の定義を勝手に作り上げてきてしまってるんじゃないかなと感じ始めました。

一般的に言われるような性善説は、「減点主義」ともいわれていて、
無意識の中で「善人」と違うところを発見すると、できてない事実をマイナスととらえてしまう。
人を信じているなんていいつつ、結果的にとても非情なのではないか?と。

逆に性悪説は、「加点主義」といわれていて、できないことがスタートラインなので、
小さなことでもできることがふえたらどんどんほめる。
最近は、ほめてのばす、というのが子育てもマネジメント手法でも注目されていますね。
ほめられたらだれでも嬉しいですし、もちろん間違ってるとは思いません。

いやでも、そうはいっても、最初から何もできないこと前提でスタートするコミュニケーション、
何も期待してないと言ってるようなもので、それはそれで残酷ではないか?
周囲から期待されるということが自信にもなり頑張るためのエネルギーになるのではないか?
とも思うわけです。

世の中、行き過ぎた指導やハラスメントを理由に命を落とす人がいたり、
各々にとっての正義が異なるために争いになったりと、大変痛ましく悲しい出来事が多くおこっており、
いままで信じてきたものがくつがえされることが多く、日々もやもやがつのるばかりです。

人をとらえるスタート地点が、人を信じるか否かということなんて、どちらでもよく、
相手を思いやる、理解しようとすることをやり続けることのほうが大事なのかもしれません。

多様性、ダイバーシティ、だれもがとりのこされない世界を、というキャッチ―な言葉を、
自分勝手に生きていい、と誤解されがちですが、
・いつも自分の気持ちを優先してるなと思う人は、少し周囲に目を向けて少し手を差し伸べてみる
・いつも周囲のことばかり気にかけてしまい、自分を抑えてしまう人はちょっとだけわがままを言ってみる
というお互いの少しの歩み寄りが、少しずつでも変化を生むのかもしれません。

では、私はどうしたいのか?
答えはまだありません。
ただ、理解できないからといって一方的に否定するような人にはなりたくないなと思います。

人生第二の思春期を大いに満喫しながら生きたいと思います。
編集後記


心の内のもやもやをそのまま文章にした内容で失礼いたしました。
怒涛だった20代30代を経て、立ち止まって考えたり学んだりする機会が増え、
それに応じて、矛盾だらけの現実に心をとらわれることが増えた気がします。

頭で悩んでも仕方ないので、体を動かしながら、楽しみながら、
みなさんと一緒に、この先の未来を考えていければ嬉しいです。

それでは、次回もお楽しみに!

分部 理恵