シンカメールマガジン
『 真価と進化 』

SHINKA Mail Magazine

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2024.4.24号 VOL.231
腹が減っては戦は出来ぬ

こんにちは。株式会社シンカの稲村と申します。

4月に入ってそろそろ1ヶ月が経とうとしていますが、皆さんはランチ難民に
なっていませんか? 新入社員が入社し、研修期間中は いわゆるお昼時に
きっちりと休憩がスケジューリングされていたり、在宅勤務が可能であっても、
新人や新しく異動した部署の同僚とのコミュニケーションの為に出社を多めにしたりで、
4月のランチタイムは特に混雑している印象です。

ランチ難民になって彷徨ったあげく、急いで食べなきゃいけないくらいなら、
物価高騰の折、そんな日は食べないという選択肢もアリでは?と思ってしまいそうになりますが、
やはり、食べることは大事だなと感じたエピソードをご紹介します。

それでは、『 真価と進化 2024.4.24号』、最後までお付き合いください。


腹が減っては戦は出来ぬ


満足できるランチを取ることで、休息・休憩でき、リフレッシュ出来るので
午後の作業効率を高めることに繋がるとは、よく言われますね。

通常の業務スケジュールであれば、確かにそうでしょう。
しかし、これがイレギュラーのトラブル対応がある場合はどうでしょう?
ビジネスパーソンであれば、トラブル対応が第一で、食事などとっている場合ではないと
考える方が多いのではないでしょうか?
一刻を争う類のものであれば、確かにそうでしょう。でも、全てにおいて
そのスタンスで上手く対応できるでしょうか?

先週末に観たドラマでこんなシーンがありました。
共同プロジェクトを進めている取引先とのお昼跨ぎの打ち合わせの際、
奮発して用意していた鰻重を食べようとした矢先、
プロジェクト内の取引先側担当案件でトラブル発生! すぐに対策会議を招集することに。
以前もメルマガで取り上げた事のある「おいハンサム!!(の2)」での1シーンです。

鰻重を用意した側の吉田鋼太郎さん演じる主人公の源太郎は、
対応先を待たせている訳ではないという状況を確認した上で、
余裕たっぷりに、鰻重を食べてからにしては?、と勧めます。
もちろん自分は食べ続けました。でも取引先は焦って帰ってしまいます。
そしてこれが後日「問題」となりました。

源太郎の対応もあり、トラブルは収束したのですが、取引先は言います。
「あんな時に悠長に鰻重を完食するような行動は、仕事のパートナーとしていかがなものか?」と…。
あちゃー。私もちょっと思いましたけど。
そこに取引先の上司が登場です。
部下がこんな事で時間を奪い申し訳ないと源太郎に詫びた上で、部下に言います。
「いいか?一旦事が起こったら、それに臨むに当たっては、ただ いたずらに時間を過ごすより
まず、腹ごしらえをすることが先決だ。平時でも有事でも、当たり前に
ちゃんと食べられる人間が生き延びるんだ。」新人研修でも、慣れない環境の中
食べる量が減ったり増えたりしていないか、そこを一番見ていると。
そして、源太郎と連れ立って馴染みの立ち食いそば屋にランチに出かけます。

体内時計をテーマにしたメルマガを書いた時に通じますが「当たり前にちゃんと食べる」
という言葉が刺さりました。
「ここぞという時の勝負飯だけじゃなく、毎日 当たり前に食べよう」源太郎も娘たちに言います。

"美味しいとこだけ少しずつ"が自分に合っていると思っていた源太郎の長女 由香は、
ある事をきっかけに、幼い頃にお腹いっぱい食べて幸せだった感覚を思い出し、
自分は、美味しいところも そうじゃないところも ちゃんと食べたいんだと気付きます。

源太郎の妻 千鶴には月一で御寿司の出前をとる習慣があるのですが、そのきっかけも感慨深かったです。
3人の娘達を育てるのにいっぱいいっぱいだったある日「もう嫌だ、無理だ。」となり、
握り寿司の出前を取ります。娘たちがこぼしたご飯の片付けなど一切やらないで
熱いお茶と一緒にゆっくり食べた終えた頃、こぼれたご飯粒はいい具合に硬くなって
掃除しやすく、且つ、細かいゴミやほこりも取れて床がピカピカになっていたそうで、
その時に、無理してやろうとしなくていい。サボった方がかえってうまくいくこともあるんだと
気持ちが楽になったことから、一人御寿司の出前をとる習慣をはじめたのだそうです。

食べることは、生きること。そして生きることは、何かしらと戦うこと。
腹が減っては戦は出来ぬですね。

編集後記


好きなドラマや映画に続編が出来ると、自分には見る目があったと思えて、嬉しいですよね。
私が『おいハンサム!!』を面白いと思ったのは何故だろうか?
『不適切にもほどがある!』や『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』
といった“昭和気質”なおじさんを主人公にしたドラマの先駆けという気もしますが、
主人公の源太郎は、不適切だったりアップデート必須なステレオタイプの
昭和気質おじさんという訳ではありません。ドラマの中の出来事をきっかけに
大きく変わるということも無く、元々大切とされている事をあらためて気付かせてくれる。
決め顔で(ハンサムで)良い事を言うものの、娘達の反応のせいか、
押しつけがましいと感じにくくスーッと入ってきてジワリとくる感じが好みなのかも知れません。
ステレオタイプでない主人公と言えば、朝ドラ『虎に翼』も好きです。
こちらの寅子も、特別でない、当たり前の(であって欲しい)ことを、
疑問に思ったことを、真っすぐに言葉にします。
皆さんのお好みはいかがでしょうか?

それでは、次回もお楽しみに!

稲村 祥子