2025.08.27号 VOL.298
その理解、傲慢になっていませんか?
こんにちは。株式会社シンカの稲村と申します。
今週で8月も終わりですね。地元山形では学生の夏休みが短いのですが、
高校時代のこの時期は8月最終週の学校祭の準備で忙しくしてた事を思い出します。
今は、高校が舞台のドラマを観て思いを馳せたりしますが、懐かしく思うというより、
今の高校生は意識高いなと感心することや、ハッとさせられることが多いです。
そんなドラマの中に『僕達はまだその星の校則を知らない』(通称「ぼくほし」)があります。
男子校と女子校が合併した新設校が舞台で、主人公はスクールロイヤー。
一昔前なら、破天荒な弁護士が新風を巻き起こすといったところですが、
このドラマはちょっと違います。
このスクールロイヤーは、不登校の過去を持ち、コミュニケーションが苦手。
だからこそ、妙な忖度などはせず、真っ直ぐに事に向き合い、解決策を探っていきます。
また、取り上げられる内容も観る側の「固定観念」を揺さぶる展開が特徴です。
第1話の内容を紹介させていただきます。
学校の合併にあわせて制服も一新され、ジェンダーレスをアピールするために、
女子はスカートだけでなくスラックスも選べるようになっていました。
ある女子生徒(Aさん)がスラックスを履いていくと…、先生に
「あなたそっちだったの!」と言われます。先生は50代の女性。悪意はなく、むしろ、
「今の時代、全然いいわよね!」と理解があることをアピールするような様子でした。
ストーリー展開の大方の予想は、Aさんが性同一性障害を持つ生徒やジェンダーレス女子として描かれ、
周囲の様々な反応に戸惑い傷つきながらも、だんだん理解されて・・・といったところでしょうか。
しかし、Aさんは、選択肢が増えたことが嬉しくて、スラックスを穿いただけ。
社会的な意図も自己表現としてのメッセージもなく、ただ穿きたかっただけなのです。
でも、「いろいろ勝手に空想されたり、勝手に謝られたりするのが嫌だ」と
スラックスを穿かなくなってしまいます。
そんなAさんを慮って、今度はある男子生徒(Bさん)がスカートを穿きます。
Bさんの行動はAさんへの恋愛感情からなのでは?と周囲は勝手に決めつけますが、
これも違っていて、ただ単に、仲間を守りたかったから。
「いっそ制服なんて無くしては?」もともと新しい制服に不満があり、
AさんBさんと近しかった生徒から声があがります。
「制服の自由化」に関しての模擬裁判が生徒側と学校側で行われますが、生徒側が勝つことはありません。
理事長の「声を上げる人間の意見ばかりが目につくが、そういう人間は案外少数派で、
声なき声の方がマジョリティーのことも多い」との雄弁に閉廷し、全校アンケートをとると、
理事長が言っていた通りの結果が出ます。
「結果が出てしまいます…」と残念そうな語尾で書きそうになりました。
それこそが、自由の方が正だ、生徒が勝った方がドラマとして盛り上がるという固定観念ですね。
ジェンダーレス制服という一見ポジティブな取り組みの裏側で、
こうした“身勝手な理解”が、いかに人を追い詰めるのか?
多様性を尊重する社会においても、無意識のラベリングが人を傷つけることが
あるという事に改めて気付かされました。
アップデートした気になって傲慢になってはいけませんね。
たった1話の中で、私は3回も固定観念をくつがえされました。
だけど、それがなんだか心地よい、「ぼくほし」は、そんなドラマです。
編集後記
今クール、私が観ている高校が舞台のドラマがもう一つあります。
『ちはやふる -めぐり-』です。映画版から10年後、令和の高校生たちが
競技かるたに出会うストーリーで、こちらは絵に描いたような青春群像劇。
といっても、主人公は根っからの熱血かるたバカではありません。
現代の価値観を凝縮したような「コスパ、タイパ時代の申し子」で、
経済的自立と早期退職を意味するFIREを目指し、
アルバイトの給料は、ほとんど投資に回しているというキャラクター。
だからこそ、コスパやタイパでは測れない「超アナログ」な競技かるたに惹かれる姿に胸をうたれます。
先週につづき、熱き高校生から気付きと元気をもらうシリーズ(笑)でした。
それでは、次回もお楽しみに!
執筆者プロフィール
株式会社シンカ
経営企画部
稲村祥子
山形県朝日町出身。東北大学経済学部経済学科卒業。
幼少期、実家が小さな旅館を営んでおり親が夜まで忙しかったこともあり生粋のテレビっ子。
ヘアメイク職(CS番組、各種CM、Vシネ版「呪怨」(助手)等)を経て、2001年に中途でシンカに入社。
当初はバックオフィス担当であったが、所属チームの何でも屋という立ち位置で様々な業務を担当。
中でも営業管理領域に力を入れ、営業数字管理の統一化をチームを超えて行い、
計上予定の確度向上、不採算案件の把握などに貢献。
現在は、全社の何でも屋として、経理や労務などの経営管理部門のあらゆる役割を一手に担っている。