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『 真価と進化 』

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2025.09.24号 VOL.302
不安を超える一歩

こんにちは。株式会社シンカの村井と申します。

世界陸上2025東京が幕を閉じ、少し寂しさを覚えています。
みなさんは、どの種目の、どんな選手の姿が心に残ったでしょうか。

私は村武ラシッド選手の力強い走り、そして決勝世界5位で涙する姿を見て、
中学三年の秋に挑んだ100mハードルを思い出していました。


台東区では毎年9月に国立競技場で「連合陸上競技大会」が開かれます。
区内の全中学校の全校生徒が国立に集結して行われる陸上の大会です。

私はバスケ部でしたが、陸上部に専門の選手がいなかったため、
なぜか100mハードルの代表に選ばれてしまいました。
体育の授業で体験した程度のレベル、不安と緊張で胸がいっぱいでした。

ハードル走は、ハードル間を3歩で駆け抜け、抜き足を素早くたたんで次につなげます。
頭では理解していても、ふり上げ足や抜き足の難しい動きが思うようにできません。
「ハードルが怖い」そんな恐怖心も重なって、リズム感や前へ前へと進む意識を
失っていたのです。

「なんで、私がハードルなんだろう、、、。」
「ハードル10台、、、ゴールまで走り切れるのだろうか。」
「出来ることなら、逃げ出したい。」

中三の私には、断る勇気も、逃げ出す勇気もありませんでした。

「なら、やるしかないじゃん。」

そこで私は先生に許可をもらい、大会まで3台のハードルを家に持ち帰りました。
仲間と協力して3台のハードルを自転車で運び(6人に3ペアで二人乗りして)、
隅田川沿いの公園までハードルを運んで“闇練習”を重ねました。
最後まで自分に付き合ってくれたバスケ部のメンバーには本当に感謝です。

そして迎えた国立競技場での本番。
結果は予選敗退でしたが、10台のハードルを最後まで走り切り、ゴール。
代表としての責任を果たせたことが心底、嬉しかったです。

「逃げ出さないで良かった」

あの時を振返り、15歳の自分に「ナイスファイト!」と声をかけてあげたいです。


編集後記

世界陸上開幕の少し前、9月9日に第79回 台東区中学校連合陸上競技大会が、
江東区の夢の島陸上競技場だったようです。(世界陸上が新国立競技場のため)

思い返せば、長男の中学時代は東京オリンピック開催が決まり、
新国立競技場の建設準備期間。次男のときは東京オリンピック開催、そしてコロナ禍で、
息子たちが中学生の時に、新国立競技場での開催は叶いませんでした。

―オリンピックの舞台となった新国立競技場で走ることができる―

それは、日頃の練習の成果を発揮するにふさわしい素晴らしい機会だと思います。
これからもスポーツや文化の場として、多くの子どもたちが挑戦できる環境が
広がっていくことを願っています。

それでは、次回もお楽しみに!
執筆者プロフィール

株式会社シンカ
プロジェクトマネージャー
村井一美

東京都台東区出身、実家は下町のうなぎ屋。
東洋英和女学院短期大学を卒業。学生時代はバスケットボール部やラクロス部で汗を流すなど、
常に体育会系の活動に励む。
2002年に株式会社シンカへ入社し、子育てと仕事を両立しながら採用・バックオフィス領域の
スーパーバイザーを長年務める。
現在は、業務設計や管理での豊富な経験を武器に企業の現場に伴走するコンサルタントとして、
大手企業から中堅中小企業まで幅広く担当する。