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『 真価と進化 』

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2025.12.17号 VOL.314
借入金の金利をどう捉えるか?

こんにちは。株式会社シンカ代表の田中です。

2013年頃からアベノミクスの効果が実感されるようになり、
円安、株高、失業率低下、そして金利の低下が見られました。
通貨発行量を増やすだけで、実体経済は何も変わらないと私は思っていたので、
アベノミクスには反対。しかしMBOを夢見ていた自分にとって、
金利の低下は歓迎~♪と、内心思っていました。

この頃から、借入金とは何か?金利とは何か?考えるようになりました。

2013年から経営改革に取り組み始めた私にとっては、
金利とは「もったいない費用」であり、削減の対象でした。
よって、できるだけ借入金を減らし、借りるとしても安い金利を目指しました。

2017年にMBOを実行した際、金利とは私にとって「資金調達コスト」でした。
株式を買い取るための必要資金の資金調達コストとして金利を支払うのだ、
そのように認識しました。

上場企業子会社の立場を離れ、一般的な中小企業に身代わりした後、
今度は、資金繰りの重要性を身をもって痛感することになりました。
「企業は、赤字でも、現預金があれば潰れない。自身も自己破産を回避できる。」
何があっても破産を回避するため、借入金は機会があればできるだけする
というスタンスに切り替わりました。

そして、借入金に伴う金利は、私にとって
「企業を存続させるために現預金を確保するための、保険料みたいなもの」
という捉え方に変わりました。

何しろ、1,000万円のお金を手元に残そうと思ったら、
1.5億円の売上を新しく作らなければいけません。それには相当な苦労を伴います。
しかも、お客様あってのことですから、確実性にも欠けます。
しかし、1,000万円の融資が得られれば、1,000万円のお金がすぐ手元に入ります。
そのために必要な金利は、2%で計算しても、たったの20万円です。

コロナ禍を経て、金融機関がコロナ融資先の一斉点検に入った時、
どの金融機関も急に積極姿勢から消極姿勢に変わり、
折り返し融資や借り換えに苦労したことがありました。

その時に学びました。
低金利で消極的な金融機関よりも、多少金利が高くても積極的な金融機関の方が
どれだけ企業存続にとってありがたいことか。

そして、その金利とは、「金融機関にとっての売上」であり、
売上を上げさせてくれないお客様は、金融機関だって営業したくありません。
自社の負担になりすぎない程度に、金融機関に儲けていただいて、
自社は企業存続の確率を高め、新しいチャンスに機動的に動く。

金利とは、前向きな企業にとっては、「生命維持費用」であり、
利益の蓄積を待たずともチャレンジするための「時間を買う費用」であると
捉えてみたら、貴社の経営姿勢も変わるかもしれません。


編集後記

中小企業様のご支援をしていると、「借金は悪」という考え方が
根強く残っている企業が多いことに驚かされます。

そのような企業は、「借金はできるだけ早くゼロにしたい」「金利は払いたくない」
という考え方が強いため、資金繰りがカツカツになっているか、
攻めの経営ができていないため、業績が停滞していたり、
人手不足の時代なのにIT・設備投資をせず、人手で何とか乗り切ろうとして
結果、常に「人繰り」に追われていたりします。

私はバブル時代を経験したことのない世代ですが、
昔は金利8%が当たり前だった時代があったそうです。
前向きになれる時代は金利が上がる。高市政権になって金利が上がっているのは、
企業が将来に対して前向きにマインドチェンジした証かもしれませんね。

それでは、次回もお楽しみに!

執筆者プロフィール

株式会社シンカ
代表取締役社長
田中裕也

1981年生まれ。岩手県二戸市出身。一橋大学商学部卒。2004年、新卒でシンカに入社。
上場企業を中心に20年以上採用コンサルティングに従事。訪問社数は2500社を超える。
2014年、突如代表取締役を拝命。経営改革を経て、2017年にMBOを決断。
自社の経営改革の実体験から、現在は中小企業向けの組織改革・人事制度改革・
事業計画策定・新規事業立ち上げ、事業承継等の支援や、
持続可能な社会を目指して地方で宿泊業へのチャレンジも実践している。
2025年、社会保険労務士試験に合格(登録準備中)。